「電力変換システムの開発」

―― 環境に優しいマトリックスコンバータの開発 ――

 現在の地球環境を考えた省エネルギー,電力の有効利用,制御性の高性能化等から,PEシステムの代表としてPWMインバータが広く使用されている。しかしながら,このインバータ技術も万能なものではなく,様々な問題を抱えている。その中で,交流から任意の交流に効率よく直接変換可能な,次世代の電力変換装置として注目を浴びているのが,マトリックスコンバータ(MC)である。このMCの実用化に向けた実験とシミュレーションによる検討,ARCPソフトスイッチング技術を応用した高効率制御などに取り組む。

 

 

 

 

 

「高性能モータドライブシステムの開発」

―― 使用目的に特化したモータドライブの性能向上 ――

 PEシステムの構成要素の中で,モータは出力源として働く。モータの出力トルクや速度を制御するには,電圧と電流の大きさと周波数を制御する必要がある。また,使用目的に応じて,様々な制御方式,電力変換方式を選択,改良,開発する必要がある。また,モータの種類も多様化し,永久磁石によるトルクだけではなく,近年のレアアース問題から,リラクタンストルクを応用したモータ,または巻線型可変界磁モータが登場し,様々な仕様要求に対して開発されている。本テーマでは,バッテリ駆動「小型IPMモータ」,リラクタンストルク応用「スイッチトリラクタンスモータ」,電気自動車用「クローポール型半波整流可変界磁モータ」に対して,実際に応用される用途に特化した制御手法の開発,インバータや周辺装置を変更し,モータ形状にも工夫を凝らし,高性能なモータドライブシステムを開発する。

 

 

 

 

「自動車システムシミュレーション」

―― 自動車の特性向上に向けた設計手法の開発 ――

環境保護・省資源が注目される中,ハイブリッド自動車や電気自動車などの環境対応システム車におけるエネルギーマネージメントが重要となっている。しかし,試験車両にて検討していては,コストと時間が無駄となる。そこで,設計の段階から,燃費,CO2排出量,制御性能などを考慮することが可能となる,自動車システムシミュレータ開発する。さらに,様々な車両タイプへ応用,汎用性向上に向けた検討を行う。

 

 

 

 

 

 

「回路シミュレータを利用したPE教育教材の開発」

―― より深い理解が可能な自由度の高い教育教材 ――

自動車,家電,ロボットなど様々な分野に応用されるPE技術に対する教育システムは,大学や高専だけでなく,企業においてもその重要性が注目されている。また,ユーザインターフェイスの優れた回路シミュレータも多く開発され,それを利用した教育教材開発も行われている。本テーマでは,回路シミュレータを用いて,直観的で理解しやすく,ユーザがパラメータの変更も可能な,PE基本回路の動作理解をより深く出来る教育教材の開発を行う。